最上稲荷には、七七末社があります。
それに合わせて狐像もとても多く置かれております。
これは訪れるまでわからなかったので、嬉しかったですね。
まずは岡山県らしいお供えがあったこの狐像。
シャインマスカットが供えられた味わい深い顔の狐像です。
岡山県はシャインマスカットの生産量全国3位で、ちょうど行った時期も収穫時期だったようで狐像以外のお地蔵さんなどにも供えてありました。
さらに口に生米も。
稲作の神の使い感が増すなぁ。
顔立ちは馬の口に人の顔をデフォルメにして混ぜた感じ。そして曲がりくねった髭もあって……赤塚不二夫作品に出てきそうな顔だなぁ。
ちなみに隣には馬の像。
こう見ると違う感じもしますが、自分は顔が四角くて長いという部分を共通点として見ているのでしょう。
そして相方の狐像。こちらにも当然シャシンマスカットが供えてあります。
しかし、印象が違います。
口を閉じているだけなのに、アジアの呪術的なお面みたいな顔立ち。
開けていると赤塚不二夫漫画味あるのに、不思議。
肉感が少ない所為? 相方と比較すると石が薄い。
歯も鋭いな。咥えた巻物を表現する調整でこうなったのかな。
バランスが気になって調整していたら小さくなってたとかあるし。
ひょうきんと強面でバランスは保てているかも。
そして岡山県らしい狐像も紹介。
備前焼の狐像です。
シンプルに一言、格好いい。
石材とは違うのか、前足後足がとても近いポージングが可能に。耳がくしゃりと倒れているのも石材ではできませんね。
勇ましい顔。
特に目の部分の迫力が素晴らしい。上下のまつげがしっかりと表現されているおかげで、眼光の鋭さを保ちつつ眼が大きくなっている。
眉間のシワがあるのも良い。力を入れているのがよくわかる。
焼き物だと表情が作りやすいのかもしれません。
ちなみにこれ以外にも備前焼の狐像があり
まずはこの一組。
眼は上記の狐像と同じですが、口が違います。
口の付け根にあるくびれがなくて、ワニ口になってますね。
代わりに仁王像みたいな憤怒を表す口にできるようになったのかも。唸っている時の肉食動物の口の曲がり具合は、こういうのですよね。
さらにもう一組。
つるっとした狐像になりました。鳥みたい。
ここまで見てきて思ったのが、備前焼の狐像の特徴としては小顔で体が大きいのがありますね。スタイルがいい。
……なんと言えばいいんだろう。鋭い眼つきをしたアルマジロ?
他の備前焼と違って不思議な顔つき。
眼力はそのままに、違う動物になった感じがする。
最上稲荷にはまだまだ狐像があります。
続きはその➂にて
所在地:〒701-1331 岡山県岡山市北区高松稲荷712